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法定相続情報証明制度とは?利用できる場面について
相続の手続きは、多くの戸籍書類を収集し、それを各金融機関や法務局へ持ち回るという、非常に手間のかかる作業が伴います。
相続人の負担を軽減し、不動産の名義変更などを促進するために創設されたのが法定相続情報証明制度です。
今回は、本制度の定義や利用できる場面について解説します。
法定相続情報証明制度とは
法定相続情報証明制度は相続手続きの簡素化を目的とした制度です。
通常、相続が発生すると、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や除籍謄本の束を準備しなければなりません。
法定相続情報証明制度では、相続人が法務局に対し、これらの書類の束と一緒に、相続関係を一覧にまとめた法定相続情報一覧図という書面を提出します。
登記官がその内容を精査し、間違いがないことを確認した上で、認証文を付した法定相続情報一覧図の写しを交付します。
この証明書は、法務局が相続関係を公的に証明したものであり、しかも無料で何枚でも交付を受けることができる点が大きな特徴です。
法定相続情報証明制度の役割
交付された一覧図の写しは戸籍謄本一式の代わりとしてさまざまな実務において活用することが可能です。
まず、不動産の名義変更である相続登記の申請です。
法務局での手続きの際、申請書に一覧図の写しを添付するか、あるいは書面に記載された法定相続情報番号を記入するだけで、戸籍書類の提出を省略できるようになります。
次に、銀行や郵便局などの金融機関での預貯金の払い戻しや名義変更です。
多くの主要な金融機関でこの証明書が受け入れられており、窓口での確認時間が大幅に短縮される道筋が整っています。
また、証券会社における有価証券の名義書き換えや、税務署への相続税の申告手続きにも利用できます。
法定相続情報証明制度を利用するメリット
法定相続情報証明制度を利用するメリットは大きく3つあります。
■手続きの簡素化
一覧図の写しがあれば1枚を提出するだけで済むため、持ち運びや管理の負担が軽減されます。
■同時並行での手続きが可能
一覧図の写しは、必要な枚数分を無料で発行してもらえます。
戸籍の原本が1セットしかないために1箇所ずつ順番に回らなければならなかった不都合が解消され、完了までの時間を大幅に短縮できる可能性があります。
■法務局で5年間保管される
この期間内であれば、後から新しい口座が見つかった際などでも、再度無料で証明書を取得することが可能です。
まとめ
今回は、法定相続情報証明制度の概要と、その具体的なメリットについて解説しました。
本制度を活用して書類を1枚に集約することは、事務的なミスを減らすことにつながります。
もし、一覧図の作成方法や戸籍の収集に不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談することを検討してください。
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